知的財産権をめぐる話題
このページには、特許権などの産業財産権や産業財産権に著作権や育成権などを含めた知的財産権に関する話題を掲載します。

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 特許行政年次報告2015年版の1.知的財産制度をとりまく環境の変化及び2.米国における動向


 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2015年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」の「1.知的財産制度をとりまく環境の変化」及び「2.米国における動向」に記載された内容を15回に分けて掲載する。13/15

第1章 国際的な知的財産制度の動向
2.米国における動向
(2)近年の知的財産政策の動向
Cジュネーブ改正協定及び特許法条約実施法
 2012 年12 月18 日、オバマ大統領はハーグ協定のジュネーブ改正協定及び特許法条約実施法案に署名し、同法が成立した。
a. ジュネーブ改正協定関連部分
 意匠特許に関して、ジュネーブ改正協定の批准に向けて、権利の保護期間が14 年から15 年に延長されること等を規定している。また、ジュネーブ改正協定の実施のため、2015年4 月2 日、官報にて施行規則の最終版を公表した。
b. 特許法条約関連部分
 通常の特許に関して、特許請求の範囲の提出がなくても出願日を確保することや、先に提出された出願の引用を当該出願の明細書及び図面と置換すること、優先権の回復を認めること等が規定されている。また、特許法条約実施のため、2013 年10 月21 日、官報にて施行規則の最終版を公表した。
D「2013年知的財産執行共同戦略計画」
 2010 年6 月に初めて策定された知的財産執行共同戦略計画を改定するものとして、2013年知的財産執行共同戦略計画が公表された。これは、商務省、農務省、国防総省、司法省、国土安全保障省、米国通商代表部(USTR)、著作権局等の幅広い連邦機関の協力を得て策定されている。
Eスペシャル301条1報告書
 米国通商代表部(Offi ce of the United States Trade Representative: 以下USTR)は、2015 年5 月に「2015 年スペシャル301 条報告書」(以下レポート)を公表した。
レポートは1974 年米国通商法182 条に基づき、知的財産権保護が不十分な国や公正かつ公平な市場アクセスを認めない国を特定するもので、警戒レベルには高い順に「優先国」、「優先監視国」、「監視国」の3 段階があり、「優先国」に特定されると調査及び相手国との協議が開始され、協議不調の場合には対抗措置(制裁)への手続が進められる。
本報告書において、我が国は、@デザインのハーグ条約を批准している国、A TPP の参加国B WTO の枠内での取組を行った国、C偽造品の取引の防止に関する協定(ACTA)の署名国D USPTO とのパートナーシップを有する国、として記載されている。


 特許行政年次報告2015年版の3.欧州における動向、4.中国における動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2015年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」の「3.欧州における動向」及び「4.中国における動向」に記載された内容を16回に分けて掲載する。11/16

第1章 国際的な知的財産制度の動向
3.欧州における動向
(5)欧州各国の取組
Cその他の欧州各国
 EPO が存在する一方、欧州各国にも特許庁が存在し、EPO への業務の集中化と分散化をめぐって綱引きが行われている。このような状況で、中小規模の知財庁は様々な取組を行っている。
a. 国際調査機関・国際予備審査機関
 スウェーデン特許登録庁は、特許協力条約(PCT)が施行された当初の1978 年からの国際調査機関、国際予備審査機関であり、デンマーク、フィンランド、アイスランド、ノルウェー、スウェーデンの北欧5 か国からの出願に対して国際調査機関、国際予備審査機関として活動することが認められており、手続言語もデンマーク語、英語、フランス語、フィンランド語、ノルウェー語、スウェーデン語と六つの言語をカバーしている。また、1998 年よりトルコ特許庁から審査の外注を請け負っている。
 さらに、デンマーク特許商標庁には、「北欧特許庁」と看板を掲げた小さな部屋が存在している。この北欧特許庁は、デンマーク、ノルウェー、アイスランドの3 か国によって2006 年に設立され、主にPCT の国際調査機関、国際予備審査機関として活動している。北欧特許庁は、EPO と異なり実体のないバーチャルな機関であり、実際の審査業務は、デンマーク特許商標庁とノルウェー産業財産庁に下請けされている(アイスランド特許庁は実体審査機能を有していない)。
 また、2015 年2 月、チェコ、ハンガリー、ポーランド及びスロバキア(ヴィシェグラード4か国:V4)が、ヴィシェグラード特許機構(VPI)に関する協定に署名したことを公表した。VPIは、PCT の国際調査機関(ISA)及び国際予備審査機関(IPEA)として活動することを目的として設立されるもので、中欧及び東欧地域において、イノベーションと創造性の育成及び経済成長と競争力の促進に寄与することが期待されている。
 出願人にとって母国語を利用できる利点があり、PCT 出願にかかるコストが25%(出願人が企業の場合)又は37%(出願人が個人の場合)、それぞれ削減されることが期待されている。また、周辺国の知的財産庁がVPI を管轄ISA 及びIPEA として指定すれば、当該周辺国の出願人に対しても同様のサービスを提供するとしている。2015 年10 月の第55 回WIPO 加盟国総会において、VPI のISA 及びIPEA の任命が了承され、さらに、VPI の初めての理事会が2015 年12 月14日、スイスのジュネーブで行われた。理事会では、手続規則の採択、4 名の理事会議長(Chairperson)の選出( 任期4 年)、VPI 長(Director of the VPI)が任命された(任期2016 年6 月末迄)。
b. 中小規模の知財庁の独創的なサービス
 欧州のいくつかの中小規模の知財庁では、独自の有料サービスを提供している。オーストリア特許庁は、先行文献サーチ、侵害サーチ等のサービス、北欧特許庁は、先行文献サーチのサービスを提供している。スウェーデン特許庁は、新規性サーチ、既に成立している特許の有効性サーチ等のサービスを提供する他、技術動向分析サービスを提供している。
 また、英語による審査を受け付けている知財庁もあり、スウェーデン特許庁では、2014年7 月1 日以降のスウェーデン国内特許出願について、英語での手続が可能となった。ノルウェー産業財産庁は、欧州特許条約のロンドン・アグリーメントへの対応により、欧州特許をノルウェーで権利化する際のノルウェー語への翻訳要件を緩和するとともに、ノルウェー国内特許出願及びPCT 国際特許出願のノルウェー国内段階についても、英語での特許取得手続を可能とする制度改正を2015年1 月1 日に施行した。



 特許行政年次報告2015年版の5.韓国における動向、6.台湾における動向及び7. ASEANにおける動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2015年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」の「5.韓国における動向」、「6.台湾における動向」及び「7. ASEANにおける動向」に記載された内容を15回に分けて掲載する。13/15

第1章 国際的な知的財産制度の動向
7. ASEANにおける動向
(2)ASEAN各国との協力
Cタイ
 タイ知的財産局と日本国特許庁は、2015 年5 月に、これまでの両庁間の協力関係の更なる強化のため、審査官の育成協力等を含む協力覚書を取り交わした。同覚書に基づき、2015 年度は、ナノテクノロジー及び医薬分野における特許審査官の派遣、人材育成スキーム支援を実施した。
 また、タイは生産拠点、あるいは消費市場として、ASEAN の中でも特に日本企業の進出が多い国であり、日本からの特許出願件数も増加している。反面、審査官のワークロード増大とそれに伴う審査遅延が最大の課題となっており、適時にかなった審査結果を出すことが難しくなっている。このような中、2014 年1月から開始した日本国特許庁との特許審査ハイウェイの試行プログラム(2 年間)について、2016 年1 月より更に2 年間延長した。
 なお、2010 年4 月1 日以降にタイ知的財産局が受理したPCT 国際出願に対する国際調査・国際予備審査を、日本国特許庁が管轄している。
Dフィリピン
 フィリピンでは、マドリッド協定議定書加盟が2012 年7 月25 日に発効、同日からフィリピン知的財産庁はマドリッド協定議定書による国際登録出願の受理を開始している。
 また、フィリピン知的財産庁と日本国特許庁は、2014 年8 月に、これまでの両庁間の協力関係の更なる強化のため、審査官の育成協力等を含む協力覚書を取り交わした。同覚書に基づき、2015 年度は、ナノテクノロジー及び計測の技術分野における特許審査官の派遣、人材育成スキーム支援、及びWIPO によるフィリピン向けPCT セミナーへの講師派遣を実施した。更に、2015 年10 月に第5 回フィリピン模倣品・海賊版対策サミットがマニラにおいて開催され、日本国特許庁はフィリピン知的財産庁より初めて招待を受け、我が国の取組について講演を行った。
 なお、2002 年1 月よりフィリピン知的財産庁が受理したPCT 国際出願の国際調査・国際予備審査を、日本国特許庁が管轄している。さらに、2012 年3 月12 日から、日本国特許庁とフィリピン知的財産庁との間で特許審査ハイウェイの試行プログラムを開始している。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差止情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


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