知的財産権をめぐる話題
このページには、特許権などの産業財産権や産業財産権に著作権や育成権などを含めた知的財産権に関する話題を掲載します。

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 2025〜2030年ごろを見すえた新たな知的財産戦略ビジョン


 知的財産戦略本部は、2025〜2030年ごろを見すえた新たな「知的財産戦略ビジョン」を策定した。同ビジョンでは、(1)これからの時代に対応した人材・ビジネスを育てる、(2)挑戦・創造活動を促す、(3)新たな分野の仕組みをデザインする――を重点事項として挙げ、(3)の中で、コンテンツ創造へのAI・ブロックチェーン活用を掲げている。このページには〜「価値デザイン社会」を目指して〜との副題のついた「知的財産戦略ビジョン」の内容を24回に分けて掲載する8/24

第2.現在の兆候から予測される将来の社会像〜人が幸せになる未来を作ろう〜
 第1章において述べた兆候を踏まえつつ、2030年頃における社会とその中での人、産業について整理した。その際、単純に現在の兆候の延長としての社会を予測するだけではなく、その中で本当に人が幸せと感じられるかという観点から社会はいかにあるべきかという点に留意した。また、人、産業、社会は相互に関連性を持ち、様々な重なりや相互作用が存在するが、ここでは人、産業、社会の順番に記述する。
1.主に人の将来像(生き方、働き方、価値観)
(多彩な能力を発揮する)
デジタルの割合が増える社会においては、サイバー空間を通じた間接体験や疑似体験が増えるが故に、逆に「生きている感」「生(なま)」であることが実感できることが重要になってくる。そのため、技術を使って豊かに生きることや、人の能力を補完・拡充・拡張する技術へのニーズが高まる。そうした技術による助けを借りながら、各個人が持つ多彩な能力を最大限発揮し、多様な仕事を持つ多層的な生き方が可能にもなる。また、個人が複数の拠り所を持つことにより、失敗しても再チャレンジがより容易な社会になりうる。
(自ら舵取りをする生き方へ)
そして、人工知能の進展により労働が代替されれば、現在の観念での「労働」から解放されるという意味での「超ヒマ社会」が訪れる可能性があり、個人としての目標を自ら設定するなど、そのような社会での生き方を自ら舵取りをし、選択することがますます重要になってくる。他方、これまでの欲求は、供給が需要に満たない時代の「ないものを欲しい」という欲求であったが、今後は安心・安全など既に手に入れている価値について「あるものを失いたくない」という欲求にシフトする面も出てこよう。
(リアルの価値は上がっていく)
デジタル社会では、低廉なコストで複製・普及が可能なデジタルに比べ、相対的にリアル(非デジタル)の価値が向上すると見込まれる。ここでリアル(非デジタル)とは、例えば、人同士の直接的な関係性、(人工知能ではなく)人の手による作品、実際の体験、歴史や伝統などである。また、情報の共有・AI技術の社会への浸透により、人は容易に他者の行動などを知ることができるようになる。その結果として画一化が進んだり極端化の方向へ進んだりする可能性がある中、多様性を確保することや、その肝となる個人の選択の自由度を確保することの価値が高まる。また、これらの技術を駆使すれば、個別のニーズを把握し、それに応じてカスタマイズすることのコストが下がるため、モノやサービスの提供に当たって画一化する必然性が下がり、多様な選択肢の確保などが可能となる。多くの選択肢が、技術的に可能となっても、平均化・順応の圧力がかかると実際に選択することはできないので、多様な選択肢の中から個人が自由に安心して選択できるような社会にすることもあわせて必要である。加えて、多様な個性を発揮しながら、創意工夫する人同士の交流により、価値が新たに創造(再発見や再編集を含む)されることが可能になる。この際、必ずしも新しい価値を創造するリーダーのみならず、それを支持するファーストフォロワーも重要であり、新しいもの、これまでと違うものに率先して共感を示す者がいなければ、新たな創造も社会に普及しないことを見逃してはならない。
(「幸せ」の多様化と自分の「幸せ」の追求)
 多様化する社会、選択肢の多い社会においては、かえって従来のように個人が単独の組織に安定的に帰属して安心感を得ることが難しくなり、むしろ疎外感を感じる可能性もある。このため「幸せ」を感じるため、自ら帰属意識を感じることができる組織や場を積極的に見出していくことも求められる。組織によって幸せの在り方(「幸せの評価関数」)も異なるため、社会の多様化とともに「幸せの評価関数」の流動化も起きるだろう。また、従来は資本主義の下に金銭の価値が大きく捉えられることもあったが(逆に金銭以外の価値も存在したが捉えるのが難しかった。)、今後は共感や信用、社会貢献などの金銭ではない価値の評価が進むだろう。サイバー空間を通じた関係が増える中、上述した「生きている実感」の訴求や、自分の価値を証明してくれるものや足跡を残すことへの欲求、あるいは健康や嬉しい・楽しいなどの感覚といった人の根源的な価値の確保など「リアル」な幸せの比重が高くなる面があろう。


 知的財産推進計画2018

 知的財産戦略本部は、〜旧ビジョンの成果を起点に、プロイノベーション戦略の考えを軸として、新たな知財ビジョン(価値デザイン社会)の実現へ〜に向けた、「人・ビジネスを育てる」、「挑戦・創造活動を促す」、「新たな分野の仕組みをデザインする」の三つの重点事項を含む「知的財産推進計画2018」を発表した。このページには「知的財産推進計画2018」の内容を19回に分けて掲載する8/19

2.「知的財産推進計画2018」重点事項 -4
(1)これからの時代に対応した人材・ビジネスを育てる -4
D クールジャパン人材の育成・集積
(現状と課題)
2017 年2月より、「クールジャパン人材育成検討会」を開催し、コンテンツを含むクールジャパン産業に求められる人材像を明確化した上で、プロデュース人材、専門人材、外国人材、地域プロデュース人材など、クールジャパン関連産業に求められる人材を育成するために必要な今後の対応の方向性について、同年5月に第一次とりまとめを行った。
2018 年3月には、第一次とりまとめを踏まえた関係省庁の施策の進捗・成果(専門職大学における実務家教員の積極的任用のための仕組みの整備など)を確認しつつ、「外国人材と企業のマッチングの取組」、「企業における外国人の就業環境整備」、「外国人材受入に係る産学官の全国的な協力体制構築」、「地域プロデュース人材の効果的な育成」などの新たな論点を含む最終とりまとめを行ったところ。本最終とりまとめに基づく施策を着実に実行する必要がある。
また、クールジャパンの優良顧客やインフルエンサーとして需要サイドを支える外国人の日本への関心を一層高め、その層の厚みを増していくことが重要であることから、例えば、エストニアにおけるe-Residency制度など、諸外国の取組も参考にしながら、日本に関心を持つ外国人の登録等を通じて一定の便益が得られる仕組みを構築する等、「日本ファン」を増やす取組に加え、様々な目的で我が国に長期滞在する消費力の高い外国人を増やす方策についても、今後検討していくことが重要である。
(施策の方向性)
・ クールジャパン人材育成検討会最終とりまとめ(2018 年3月)に基づき、クールジャパン人材の育成に資する専門職大学制度の運用、外国人材の活用・集積に向けた制度面での取組や外国人材受入れに係る産学官の地域レベル・国レベルでの情報共有等の協力体制構築、海外における日本語の普及、地域の魅力を発掘・磨き上げ・海外に展開できる人材の育成、最近の産業ニーズに対応した専門人材の育成に資する取組を推進する。(短期、中期)(内閣府、関係府省)

e-Residency制度:申請によりエストニア政府発行のID が取得でき、EU における起業、契約、資金決済などをオンラインで行える仕組み。



 知財のビジネス価値評価検討タスクフォース報告書〜経営をデザインする〜

 知的財産戦略本部は、「 安定的なモノの供給が市場を牽引する20世紀型の工業モデルの時代から、体験や共感を求めるユーザの多様な価値観が市場を牽引する時代へと変化する中、市場を牽引する力の源泉となる無形資産が果たす役割は増大している」として、「 知財のビジネス価値評価検討タスクフォース」を開催。その結果を「財のビジネス価値評価検討タスクフォース報告書〜経営をデザインする〜」として発表。このページには、同報告書の内容を24回に分けて掲載する。8/24

第2章 価値創造メカニズムの把握とデザイン-3
第1節 全社レベルでの価値創造メカニズムの把握とデザイン-3
第3項 企業の価値創造メカニズムのデザイン(事業ポートフォリオの組成)
将来に向けて自社が持続的に成長するために、将来の価値創造メカニズムをデザインするに当たっては、環境変化を前提に時系列を意識して、各事業がどのようなステージ(事業の種、これから収益を上げる、収益を上げている、落ち目)にあり、どういった環境変化の過程におかれているかを把握し、各事業についての目標や課題等を確認する必要がある。そして、事業のポートフォリオの見直しなどを含め、どのように現状から将来へ移行できるかについての戦略を策定し、それに従って各事業の予算等諸資源の配分を決定していくことが重要である。
従来、全社戦略の策定に資する事業ポートフォリオと言えば、市場成長率と相対シェアの高低で4マスの表を作り、企業が有する各事業を適切なマスに当てはめていくものなどがある。各事業への資源配分は、マスごとの一般的な戦略方針を参照しつつ決定する、といった要領でこの表は活用されてきたが、こうした従来の方法は、時系列を意識しない静的なものである。そこでこうした従来の枠組みを、収益性、市場成長性の表に、事業の規模とそれらの要素の時間的遷移予想を含めた動的な表として見える化することも考えられる。
21 世紀型モデルの企業戦略の策定においては、いずれの事業も中長期的にはゲームチェンジが発生することも想定して環境を分析し、ポートフォリオを組成していくことが必要である。
また、事業ポートフォリオの組成には、各事業の概ねの方針に加え、全社レベル及び各事業における経営資源の過不足や、資源配分方針を変化させる時期や程度等を把握しておくことも有効である。具体的には、資源の整理表を作成しておくと良い。
21 世紀型モデルの企業には、こうした事業ポートフォリオや資源の整理を通じて、全社として長期的な成長を維持するための価値創造メカニズムを把握・デザインしていくことが期待されている。

第4項 全社レベルの経営デザインシート
全社レベルの価値創造メカニズムを見える化するためのシートとして、「経営デザインシート(全社用)」を提案する。記載要領の詳細については、別冊にて説明するが、上部に基本事項を記載し、左部にこれまでの価値創造メカニズムを、右部にこれからの価値創造メカニズムをそれぞれ記載するとともに、下部に左部から右部の価値創造メカニズムに移行させるための戦略について記載する。これからの価値創造メカニズムを記載する際には、企業や業界の特性を考慮して、どの程度先の将来を想定するかを決める必要がある。価値創造メカニズムは、両端に資源と価値を配置し、その間に資源を価値に変える仕組みを配置する形で表現されており、それぞれについて記載するように構成されている。また、資源を価値に変える仕組みとして、事業が複数存在することを前提に各事業の相互関係等を記載する。
なお、これからの価値創造メカニズムをデザインするにあたっては、財務的な裏付けに拘りすぎないようにすることが重要である。一方で、経営デザインシートを外部のステークホルダーに開示する場合は、将来の価値創造メカニズムを実現した場合の財務パフォーマンスを示すことも必要である。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差止情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


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