知的財産権をめぐる話題
このページには、特許権などの産業財産権や産業財産権に著作権や育成権などを含めた知的財産権に関する話題を掲載します。

HOME武山特許事務所の業務内容プロパテント知的財産権をめぐる話題趣味のページ


 平成28年度から5年か年の「第5期科学技術基本計画」の「超スマート社会の実現」


 科学技術基本法に基づく、平成28年度から5年か年の「第5期科学技術基本計画」において、「超スマート社会の実現(Society 5.0)」が決定され、超スマート社会サービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術の戦略的強化を図ることが、我が国の課題として定められている。そこで、同基本計画の中で「超スマート社会の実現」に関連する「第1章基本的な考え方」及び「未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創造の取組」の部分を18回に分けて掲載する。3/18

第1章 基本的考え方
(1)現状認識−2
 他方、世界的な規模で急速に広がるネットワーク化は、これまでの社会のルールや人々の価値観を覆す可能性を有しており、派生するセキュリティ問題への対応、個人情報の保護等の新たなルール、行動規範作りが不可欠となっている。また、Internet of Things(IoT)、ロボット、人工知能(AI)、再生医療、脳科学といった、人間の生活のみならず人間の在り方そのものにも大きな影響を与える新たな科学技術の進展に伴い、科学技術と社会との関係を再考することが求められている。
 このような様々な変化は、相互に関連し合い、加速しながら進展している。知識や価値の創造プロセスは大きく変貌し、それにより、経済・社会の構造が日々大きく変化する「大変革時代」とも言うべき時代を迎えている。
 また、我が国そして世界が抱える課題は増大し、複雑化している。
 我が国は、エネルギー、資源、食料等の制約、少子高齢化や地域経済社会の疲弊といった課題を抱えている。特に、我が国の経済・社会の基盤を支える上で、エネルギーや資源の安定的かつ安価な供給が重要であることについては、東日本大震災を契機として改めて経験したところである。高齢化の進行に伴う社会保障費の増大やインフラの老朽化等は、社会コストを増大させ、我が国の経済や国民の生活水準の維持・向上に対する大きな制約となりつつある。
 さらに、大規模地震や火山噴火などの自然災害のリスク、我が国を取り巻く安全保障環境の変化などにも適切に対応し、国土や社会機能の強靱性(レジリエンス)を高めていくことが求められている。また、東日本大震災からの復興再生もいまだ道半ばであり、着実に対応していく必要がある。
 世界を見渡すと、世界人口は増加し続け、食料や水資源等の不足は一層深刻さを増しており、感染症やテロの脅威、格差の拡大、気候変動や生物多様性減少等の環境問題など、地球規模の課題が山積している。国家間の相互依存関係が深まっていく中で、こうした諸課題に対し、我が国は世界的な枠組みにも積極的に貢献しつつ、先進国の一員として、新興国や途上国の人々と共に国際社会の平和と発展に積極的に関与していくことが求められている。その際、アジアの科学技術先進国である我が国が、課題解決と経済成長とを同時に達成する経済・社会システムの構築に向けた取組を、人文社会科学と自然科学との知を総合的に活用して推進し、世界に発信していくことが重要である。
 このように、経済・社会が大きく変化する中で、新たな未来を切り拓き、国内外の諸課題を解決していくためには、科学技術イノベーション1を今後も強力に推進していくことが必要である。その際、科学技術には多義性があり、ある目的のために研究開発した成果が他の目的に活用できることを踏まえ、ダイナミックなイノベーションプロセスの構築を図りながら、適切に成果の活用を図っていくことが重要である。


 「知的財産推進計画2017」の「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の前半

 現在IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新を活かした新たな「システム」を構築し、産業競争力を強化することを目指した「第4次産業革命」、さらには、産業面での変革に加え、経済・社会的課題の解決をも射程に含め「Society 5.0」を目指したアプローチが進行中である。そこで、知的財産戦略本部の会議で決定された「知的財産推進計画2017」の中から、「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の「データ・人工知能(AI)の利活用促進による産業競争力強化に向けた知財制度の構築」の内容を16回に分けて掲載する。3/16

はじめに−3
 二点目は、知的財産の潜在力を活用した地方創生とイノベーション推進である。もはや知財戦略は、大企業や製造業のみにとって重要なだけではなく、むしろ地域経済を支えしばしばオンリーワンの技術を持っている中小・中堅企業や、海外にその品質が高く評価されている農林水産業・食料産業において、製品・サービスのブランド価値・事業価値を高め、国際市場に打って出るために必要不可欠なものとなっている。また、これらの産業においても、IoT やビッグデータを活用する第4次産業化の波が押し寄せている。このような中小・中堅企業や農林水産業・食料産業等を知財戦略によって強化することは、アベノミクスの柱である地方創生にとって必要不可欠な課題である。このような観点から、金融機関や農業関係機関など新たなプレーヤーも含めた知財に関する連携体制を地方に構築し、知財意識を高めていく必要がある。
 また、イノベーションのシーズ創出や人材育成を役割のひとつとする大学・公的研究機関や高等専門学校においても、知財戦略の構築や知財マネジメントの強化を通じて、産学連携やベンチャー創出を進めていくことが求められている。特に、今後のイノベーション創出には、異分野融合や複数のプレーヤーによるオープン・イノベーションが必要となっていることに鑑み、オープン&クローズ戦略を含めた知財戦略を使いこなしていくことが求められる。
 さらに、デジタル・ネットワーク化により誰もが創作物や産業的に価値のあるアイディアの発信とその利活用が容易になっている時代に、国民一人ひとりが知財の創出、活用、適切な保護、その尊重と意義の理解について小学校から発達の段階に応じて学んでいくため、産学官が連携した小・中・高等学校への支援体制を全国に整備することや高等教育機関での知財教育の推進が必要である。



 「知的財産推進計画2017」の「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の後半

 現在IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新を活かした新たな「システム」を構築し、産業競争力を強化することを目指した「第4次産業革命」、さらには、産業面での変革に加え、経済・社会的課題の解決をも射程に含め「Society 5.0」を目指したアプローチが進行中である。そこで、知的財産戦略本部の会議で決定された「知的財産推進計画2017」の中から、「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の「知財システム基盤の整備」及び「グローバル市場をリードする知財・標準化戦略の一体的推進」の内容を16回に分けて掲載する。3/16

T.第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築
2.知財システム基盤の整備
(1)現状と課題
《世界をリードする審査の実現によるグローバル事業展開支援の強化》
 産業構造に大きな変革をもたらす第4次産業革命の急速な進展を受け、次々と新しい技術やビジネスモデルが生み出され、多様な知財マネジメントが求められるようになる中で、我が国が産業競争力を維持・向上し、国際社会における確固たる地位を占め続けるためには、我が国の産業競争力を支える基盤である産業財産権制度についても、社会情勢の変化やユーザーニーズに合わせて制度及び運用の改善を図っていくことが必須である。
 特許については、優れた発明を迅速かつ的確に保護する「世界最速・最高品質」の審査を実現すべく、迅速化については2023 年度までの長期目標として、「権利化までの期間」と「一次審査通知までの期間」をそれぞれ、平均14 か月、平均10 か月以内とすることを目標として取り組むとともに、品質向上についても産業構造審議会知的財産分科会に審査品質管理小委員会を設置し、更なる品質向上に向けた施策の在り方について検討を行っている。
 今後、第4次産業革命の急速な進展を受けて生まれる新しい技術や分野複合的な技術に対しても「世界最速・最高品質」の審査を提供していくという観点から、先行技術文献調査のための特許分類の整備、特許性の判断の予見性の向上、審査体制の強化などの取組が求められる。
 また、我が国企業がグローバルな事業活動を戦略的に進めていくためには、進出先において知的財産権を的確かつ円滑に取得・活用することが不可欠であるが、今後一層重要な市場となることが見込まれるアジア新興国等においては、知的財産庁の審査体制の整備が不十分であるなどの問題も指摘されている。そこで、海外進出を図る我が国企業が各国で円滑に特許権を取得できるようにするための国際連携の取組についても引き続き推進していくことが重要である。
 意匠については、2014 年まで意匠登録出願件数が減少傾向にあったものの、2015 年5月から出願受付を開始した意匠の国際登録に関するハーグ協定のジュネーブ改正協定に基づく国際出願の利用拡大もあり、2015 年以降は増加傾向へと転じている。また、2016 年11 月には、第2回意匠五庁(ID5)会合が開催され、意匠分野における国際連携を進めていくことが合意されたところである。
 一方、我が国企業が今後も国際競争に勝ち残っていくためには、デザインを活かした企業ブランディングが重要であり、我が国企業のデザイン活用力の強化とそれを支援・促進する意匠制度の整備について検討することが求められている。
 商標については、2013 年以降、毎年平均で約10%出願件数が増加し続けており、審査体制の整備が求められている。加えて、2015 年4月から出願受付が開始された「音」、「色彩」「動き」、「位置」、「ホログラム」といった新しいタイプの商標について、積極的に出願がなされており、これら新しいタイプの商標は、言語以外によるブランドの発信手段として企業のブランド戦略に大きな役割を果たすものであるから、引き続き適切な審査を行うことで企業のブランド戦略構築を支援していくことが重要である。
 また、近時、一部の者から、手続上の瑕疵のある商標登録出願が大量に行われ、後願者が商標登録出願を断念するなどの混乱が一部生じており、その対応について検討することが求められる。

 産業財産権を巡る環境は今後も一層多様化・複雑化すると考えられる。こうした環境変化に伴い、特許、実用新案、意匠、商標を含む特許行政事務の質的・量的変化が見込まれるが、中長期的視野に立ち、特許行政サービスの効率化・質の向上に向けた検討についても引き続き行うことが重要である。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差止情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


HOME武山特許事務所の業務内容プロパテント知的財産権をめぐる話題趣味のページ