知的財産権をめぐる話題
このページには、特許権などの産業財産権や産業財産権に著作権や育成権などを含めた知的財産権に関する話題を掲載します。

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 平成28年度から5年か年の「第5期科学技術基本計画」の「超スマート社会の実現」


 科学技術基本法に基づく、平成28年度から5年か年の「第5期科学技術基本計画」において、「超スマート社会の実現(Society 5.0)」が決定され、超スマート社会サービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術の戦略的強化を図ることが、我が国の課題として定められている。そこで、同基本計画の中で「超スマート社会の実現」に関連する「第1章基本的な考え方」及び「未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創造の取組」の部分を18回に分けて掲載する。1/18

はじめに
 我が国、そして世界は激動の中にある。
 科学技術イノベーションは、国内外の持続的かつ包摂的な発展に貢献できるのか。第5期科学技術基本計画は、その問いかけに応え、日本国民、ひいては世界の人々を、より豊かな未来へと導く羅針盤となることが求められている。
 近代科学が産声を上げた17 世紀、科学者ボイルが記した未来予測には、今日で言う生体移植や衛星測位システムなどが登場する。その実現には長い歳月を要したが、近年の科学技術、とりわけ情報通信技術の発展は、瞬く間に経済・社会のルールを変化させ、人々のライフスタイルや、社会と人間の在り方にも影響をもたらしている。今やイノベーションは、これまでの延長線上ではないところに発現し、瞬時に世界に拡散するようになっている。
 グローバル化の進展に伴い、国家間の相互依存関係は更に深まり、各国が抱える様々な課題は地球規模課題へと瞬時に発展する。国内を見れば、少子高齢化が加速し地域は疲弊している。こうした課題を克服し、国民一人ひとりが活躍し豊かな生活を実現する社会の仕組み作りが求められている。
 世界規模で情報のネットワーク化と人材の流動化が進む中、社会の持つ多様な価値観を享受するには、柔軟性と受容性が不可欠となる。
 第5期科学技術基本計画では、科学技術イノベーション政策を、経済、社会及び公共のための主要な政策として位置付け強力に推進する。
 未来の産業創造と社会変革に向け、「未来に果敢に挑戦する」文化を育む。人々に豊かさをもたらす「超スマート社会」を未来の姿として提起し、新しい価値やサービス、ビジネスが次々と生まれる仕組み作りを強化する。国際協調の中にも戦略性を持って科学技術イノベーションを活用し、国内外の課題の解決を図る。いかなる変化にも柔軟に対応するため、科学技術イノベーションの基盤的な力を強化し、スピード感ある知の社会実装を実現する。グローバルでオープンなイノベーションシステムを構築し、そこで輝く人材の育成・確保を進める。
 科学技術基本計画は、研究開発やイノベーション活動の現場から共感され実行される計画でなければならない。これまでの投資で蓄積されたポテンシャルを最大限に引き出すためには、大学は、教育や研究を通じて社会に貢献するという認識の下に大学改革を進め、産学官は、パートナーシップを拡大することが欠かせない。また、科学技術イノベーションを通じた社会の変革に向け、国民との協働を進めていく。
 第5期科学技術基本計画は、「政府、学界、産業界、国民といった幅広い関係者が共に実行する計画」であり、この基本計画の実行を通じて、我が国の経済成長と雇用創出を実現し、国及び国民の安全・安心の確保と豊かな生活の実現、そして世界の発展に貢献していく。


 「知的財産推進計画2017」の「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の前半

 現在IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新を活かした新たな「システム」を構築し、産業競争力を強化することを目指した「第4次産業革命」、さらには、産業面での変革に加え、経済・社会的課題の解決をも射程に含め「Society 5.0」を目指したアプローチが進行中である。そこで、知的財産戦略本部の会議で決定された「知的財産推進計画2017」の中から、「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の「データ・人工知能(AI)の利活用促進による産業競争力強化に向けた知財制度の構築」の内容を16回に分けて掲載する。5/16

T.第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築
1.データ・人工知能(AI)の利活用促進による産業競争力強化に向けた知財制度の構築
(1)現状と課題
 デジタル・ネットワークの発達、IoT の進展、AI の進化、官民データ活用推進基本法(平成28 年法律第103 号)・官民データ活用推進基本計画及び改正個人情報保護法(平成15 年法律第57 号)の整備等により、一定の技術的及び法的な基盤が整い、官民データの活用が鍵であるとの認識の下、大量に集積されたデジタルデータ(ビッグデータ)とAI の利活用が進み、新たな付加価値と生活の質の向上をもたらす第4次産業革命(Society5.0)の実現が期待されている。業界や国境を越えて大量の情報が集積・処理され、ネットワークを介して情報がやりとりされ、また、AI を結び付けることにより、サイバーとフィジカル空間に跨って付加価値を生み出すという「データ駆動型の新たなイノベーション」が創出する動きが広がってきている。世界に散らばる有用な情報を戦略的に取り込み、あるいは組み合わせることによって、革新的な製品・サービスを生み出すというオープンでグローバルなイノベーションを前提としたビジネスモデルの構築が求められており、知的財産戦略とその前提となる知財制度の果たす役割は重要である。
 特に現行の著作権システムについては、ビッグデータを活用した新規ビジネスの進展等が見込まれている中、こうしたビッグデータの中には著作権のある情報(著作物)が混在しうるため、大量・不特定の情報を利用する場合に全ての著作権者から事前に許諾を得ることは事実上不可能であるなどの課題が指摘されている。「知的財産推進計画2016」(平成28 年5月9日知的財産戦略本部決定。以下「推進計画2016」という。)では、デジタル・ネットワーク時代の著作権システムに関して、柔軟性のある権利制限規定について2017 年の通常国会への提出を視野にその効果と影響を含め具体的に検討し必要な措置を講ずる等とされた。これを受けて文化審議会著作権分科会法制・基本問題小委員会において新たな時代のニーズに的確に対応した権利制限規定の在り方について検討が進められた。2017 年2月に公表された同委員会の中間まとめにおいては、我が国に最も望ましい「柔軟性のある権利制限規定」について、明確性と柔軟性の適切なバランスを備えた複数の規定の組合せによる「多層的」な対応を行うことが適当とし、具体的には「[第1層]著作物の本来的利用には該当せず、権利者の利益を通常害さないと評価できる行為類型」、「[第2層]著作物の本来的利用には該当せず、権利者に及びうる不利益が軽微な行為類型」、「[第3層]公益的政策実現のために著作物の利用の促進が期待される行為類型」の3つの層について、それぞれ適切な柔軟性を確保した規定を整備することが適当であるとされた。



 「知的財産推進計画2017」の「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の後半

 現在IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新を活かした新たな「システム」を構築し、産業競争力を強化することを目指した「第4次産業革命」、さらには、産業面での変革に加え、経済・社会的課題の解決をも射程に含め「Society 5.0」を目指したアプローチが進行中である。そこで、知的財産戦略本部の会議で決定された「知的財産推進計画2017」の中から、「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の「知財システム基盤の整備」及び「グローバル市場をリードする知財・標準化戦略の一体的推進」の内容を16回に分けて掲載する。5/16

T.第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築
2.知財システム基盤の整備
(2)今後取り組むべき施策
@知財紛争処理システムの基盤整備
《知財紛争処理システムの利用支援》
(標準必須特許に関するADR 制度の検討)
・IoT が普及する中、社会インフラとなるような規格の円滑な利用を進めるため、社会的影響の大きい標準必須特許の適切なライセンス料を決めるADR 制度(標準必須特許裁定)について、特許権者の権利を不当に害さないことに留意しつつ、次期通常国会への法案提出を視野に検討を進め、2017 年度中に法制度上の措置に関する具体的な結論を得て、必要な措置を講ずる。(短期)(経済産業省)

(裁判外紛争解決手続(ADR)の拡充・活性化)
・知財紛争を含む紛争の当事者が適切な紛争解決手続を容易に選択できるよう、知財紛争の「裁判外の紛争解決手続(ADR)」を取り扱う者からの認証ADR(愛称:かいけつサポート)に関する相談を通じて認証申請を促すことにより、ADR の拡充及び活性化を図る。また、適正な審査による認証を行うことや認証ADR 実施者に関する情報をより広く周知することにより、「認証ADR」の実施者の拡充とその利用の活性化を図る。(短期・中期)(法務省)
・IoT が普及する中、ライセンス交渉や紛争処理に要するコストが大きくなっていることを踏まえ、多様な特許を巡る紛争を迅速かつ簡便に解決するため、中小企業やベンチャーを含む多様な企業の請求に基づいて調整を行うADR 制度(あっせん)について、産業構造審議会知的財産分科会において検討を進め、既存のADR 制度との関係を整理しつつ、2017 年度中に具体的な結論を得て、必要な措置を講ずる。(短期)(経済産業省)

(国際仲裁の活性化)
・知財紛争をはじめ、増加する国際的な企業間等の紛争の解決が促進されるよう、我が国の国際仲裁の利用を活性化させるため、国際仲裁の担い手の養成支援等を含め、必要な基盤整備に向けた具体的な検討・取組を進める。(短期・中期)(法務省、関係府省)

(中小企業等支援)
・中小企業が知財紛争に要する費用の問題に対応するため、中小企業が利用可能な知財分野を含む訴訟費用保険に関する民間の取組を注視するとともに、海外知財訴訟費用保険制度を拡充し、その自立化について引き続き取り組む。(短期)(経済産業省)
・地方における知財専門家へのアクセスを支援するため、関係団体と連携し、情報提供業務の一環として窓口を紹介する体制や弁理士を検索できるデータベースを整備するなど、地方においても知財紛争処理に精通した専門家に依頼できるような体制の充実を図る。(短期・中期)(法務省、経済産業省)

(テレビ会議システム等の活用)
・地方における知財司法アクセスの改善に向け、テレビ会議システムのより一層の利用を促進するため、その周知について引き続き期待する。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差止情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


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