知的財産権をめぐる話題
このページには、特許権などの産業財産権や産業財産権に著作権や育成権などを含めた知的財産権に関する話題を掲載します。

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 平成28年度から5年か年の「第5期科学技術基本計画」の「超スマート社会の実現」


 科学技術基本法に基づく、平成28年度から5年か年の「第5期科学技術基本計画」において、「超スマート社会の実現(Society 5.0)」が決定され、超スマート社会サービスプラットフォームの構築に必要となる基盤技術の戦略的強化を図ることが、我が国の課題として定められている。そこで、同基本計画の中で「超スマート社会の実現」に関連する「第1章基本的な考え方」及び「未来の産業創造と社会変革に向けた新たな価値創造の取組」の部分を18回に分けて掲載する。9/18

第1章 基本的考え
(4)基本方針
A 科学技術基本計画の推進に当たっての重要事項
 上記の4本柱の取組を効果的・効率的に進めていく上で、科学技術イノベーションと社会の多様なステークホルダーとの関係を深化させ、また、科学技術イノベーションの推進機能を強化していくことが不可欠である。
@)科学技術イノベーションと社会との関係深化
 イノベーションの創出に当たっては、多様な価値観を持つユーザーの視点が欠かせなくなっており、また、科学技術イノベーションが社会の期待に応えていくためには、社会からの理解、信頼、支持を獲得することが大前提である。このため、科学技術イノベーション活動の推進に当たり、社会の多様なステークホルダーとの対話と協働に取り組んでいく。
A)科学技術イノベーションの推進機能の強化
 科学技術イノベーションを効果的に進めていくには、大学、公的研究機関、企業といった科学技術イノベーション活動の多様な実行主体から共感を得ながら推進していくことが不可欠であり、各主体の機能強化に向けた取組の充実と、産学官のパートナーシップの拡大が鍵となる。
 また、経済・社会の変化が加速する中で、基本計画を5年間の科学技術イノベーション政策の基本指針としつつ、毎年度「科学技術イノベーション総合戦略(以下「総合戦略」という。)」を策定し、柔軟な政策運営を図っていく。
 さらに、第5期基本計画の進捗及び成果の状況を把握していくため、主要指標を別途定めるとともに、達成すべき状況を定量的に明記することが特に必要かつ可能な場合には本基本計画の中に目標値を定め、主要指標の状況、目標値の達成状況を把握することにより、恒常的に政策の質の向上を図っていく。なお、ここで掲げる目標値は、国の全体の科学技術イノベーションが達成すべき状況に向けた進捗を把握するために定めるものであり、これらが、個々の機関や研究者等の評価にそのまま活用されることを目的としたものではない。目標値の達成が自己目的化され、本来の目指すべき状況とのかい離や望まざる結果を招かないよう、国においては留意が必要である。その上で、大学、国立研究開発法人等は、本基本計画に掲げた政策の目的や内容を踏まえつつ、個々の機関の強みや特性を生かしたビジョンの実現に向けた取組を進めていくことが求められる。こうした各機関の多様な活動により、我が国全体として、本基本計画に示した目標値が達成され、科学技術イノベーションを効果的に進めていく環境が構築されることが肝要である。


 「知的財産推進計画2017」の「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の前半

 現在IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新を活かした新たな「システム」を構築し、産業競争力を強化することを目指した「第4次産業革命」、さらには、産業面での変革に加え、経済・社会的課題の解決をも射程に含め「Society 5.0」を目指したアプローチが進行中である。そこで、知的財産戦略本部の会議で決定された「知的財産推進計画2017」の中から、「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の「データ・人工知能(AI)の利活用促進による産業競争力強化に向けた知財制度の構築」の内容を16回に分けて掲載する。13/16

T.第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築
1.データ・人工知能(AI)の利活用促進による産業競争力強化に向けた知財制度の構築
(1)現状と課題
《AI の作成・利活用促進のための知財制度の在り方》
<AI 生成物について>
 AI 生成物が問題となる可能性について、AI 生成物が元となった学習用データの一部又は全部と同一又は類似する場合に著作権侵害になるのか、その場合の依拠と類似性についてどのように考えるかという問題がある。この問題に関しても、AI の技術の変化は非常に激しく、問題となった事例が多くない状況では、人間の創作を前提とした従来の依拠の考え方をAI の創作の場合に当てはめてよいのか更に検討を進めることが必要であり、問題となった具体的な事例に即して引き続き検討することが求められる。また、現行知財制度上は権利の対象とならないとされるAI 創作物を人間が創作したと僭称し、人間の創作物に対して権利侵害を主張するなどいわゆるトロール的な権利の濫用が生じることも想定され、人間の創作活動に影響を与える可能性がある。この問題は、人間には関与できない量の創作物を公表する場合にのみ議論が生じると考えられ、また、発明については特許審査制度があり一定の制限がかかると考えられるため、現時点では、人間の創作その他の社会活動への大きな影響が出るか否かは不透明であり、AI の技術の変化や利活用状況を注視し、引き続き検討することが求められる。
 むしろ、AI 創作物については、選択や編集・加工などの人間の創作的寄与を加えることで更なる付加価値を生む可能性があることを踏まえ、産業競争力強化の視点から、AI を道具として積極的に利活用した新たな創作や高度な付加価値を生み出す活動の広がりが期待される。

 注「依拠とは、よりどころとすること(広辞苑)」をいい、最高裁は「著作物の複製とは、既存の著作物に依拠し、その内容及び形式を覚知させるに足りるものを再製することをいうと解すべきであるから、既存の著作物と同一性のある作品が作成されても、それが既存の著作物に依拠して再製されたものでないときは、その複製をしたことにはあたらず、著作権侵害の問題を生ずる余地はない」と判示している。「僭称(せんしょう)とは、勝手に身分を越えて上の称号を自称すること(広辞苑)」をいう。



 「知的財産推進計画2017」の「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の後半

 現在IoT、ビッグデータ、ロボット、人工知能(AI)等の技術革新を活かした新たな「システム」を構築し、産業競争力を強化することを目指した「第4次産業革命」、さらには、産業面での変革に加え、経済・社会的課題の解決をも射程に含め「Society 5.0」を目指したアプローチが進行中である。そこで、知的財産戦略本部の会議で決定された「知的財産推進計画2017」の中から、「第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築」の「知財システム基盤の整備」及び「グローバル市場をリードする知財・標準化戦略の一体的推進」の内容を16回に分けて掲載する。13/16

T.第4次産業革命(Society5.0)の基盤となる知財システムの構築
3.グローバル市場をリードする知財・標準化戦略の一体的推進
(1)現状と課題
 あわせて、国際標準化を推進するためには、それを支える人材を育成していくことが不可欠である。現状では、経営層や事業責任者の理解が必ずしも十分であるとは言えず、将来の国際標準化を支える人材が育っていないなど、企業の標準化体制や国際標準化を担う人材の質的・量的不足が根本的な課題となっている。こうした認識から、2017 年1月に「標準化人材を育成する3つのアクションプラン8」を取りまとめ、我が国の標準化活動の中心的役割を担うべき民間企業、特にその経営層が標準化人材を育成する上で取り組むべき方向性を示したところであり、本アクションプラン等に基づき標準化人材育成の取組を進めるとともに、これらの標準化人材が諸外国の政府及び企業と連携して国際標準化を行う活動に対する支援を一層強化する必要がある。
 これに加え、グローバル市場において、オープン&クローズ戦略の下で事業・経営戦略と一体となった知財・標準化マネジメントを行っていくためには、標準化戦略のみならず、事業・経営戦略、知財戦略にも精通し、事業・経営戦略と一体となった知財・標準化マネジメントを行うことができる人材(知財マネジメント人材)の育成と確保に取り組むことも重要である。
 特に、優秀な人材の確保という観点では、我が国は、多様性によるイノベーションの促進や、海外市場の開拓等を実現するためにも、特に高度人材を中心として、世界から人材を集め活用していくための方策について検討すべきである。
 営業秘密の保護については、2015 年1月の「営業秘密管理指針」の改訂、2016 年1月の改正不正競争防止法(平成5年法律第47 号)の施行及び2016 年6月の改正関税法(昭和29 年法律第61 号)の施行により、営業秘密侵害に対する抑止力の向上とIT 環境の変化等に応じた処罰範囲の整備が進められるとともに、2016 年2月には秘密情報の漏えいに関する対策事例を記載した「秘密情報の保護ハンドブック」が策定されている。これらの周知・普及活動の継続が必要であるとともに、情報のデジタル化が進み、ネットを介してつながる環境の進展を踏まえた一層の充実化も求められる。
 官と民との連携については、「技術情報等の流出防止に向けた官民戦略会議」で公表された「営業秘密侵害を断固として許さない社会」の創出に向けた「行動宣言」(2015年1月)を踏まえ、2015 年度から、営業秘密の漏えいに関する最新手口やその対策に係る情報交換を行うため、「営業秘密官民フォーラム」が毎年開催されている。企業の営業秘密が増加している一方で、漏えいの危険性が上がっている可能性が指摘される中、同取組について、今後も継続的に実施する必要がある。



 リンク集

 WIPO
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 特許庁
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 経済産業省
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 最高裁判所
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 知的財産戦略本部
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 文化庁
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 輸入差止情報
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