日本国政府の知財戦略、知的財産権に関する国際機関や国際条約、知的財産政策部会の検討内容、知的財産制度の見直しなど、プロパテントをめぐる政府・経済産業省・特許庁等の情報を掲載します。

HOME武山特許事務所の業務内容プロパテント知的財産権をめぐる話題趣味のページ


 特許行政年次報告2017年版」冒頭特集〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜及び第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。今回の報告には、〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜が掲載されている。そこで、同報告書の「はじめに」、「冒頭特集〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜」及び「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状」に記載された内容を16回に分けて掲載する。16/16

第1部 知的財産をめぐる動向
第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状12
5.審判
(1)審判の現状
@審判の請求動向
a. 拒絶査定不服審判1請求件数の推移
 2016 年における拒絶査定不服審判の請求件数は、特許が18,898 件、意匠が384 件、商標が514 件であった。また、特許の前置審査の結果を見ると、拒絶査定を取り消して特許査定される件数(前置登録件数)の全体に占める割合は、2010 年以降、6 割前後で推移している。
b. 無効審判3請求件数の推移
 2016 年における無効審判の請求件数は、特許が140 件、実用新案が10 件、意匠が26 件、商標が92 件であった。
c. 訂正審判4請求件数の推移
 2016 年における特許の訂正審判の請求件数は、163 件であった。
 旧実用新案 については、近年ほとんど請求がない。
d. 異議申立1件数の推移(権利単位)
 2016 年における異議申立件数は、特許が1,214 件、商標が449 件であった。
e. 取消審判2請求件数の推移(商標)
 2016 年における商標取消審判請求件数は958 件であった。
A審判の審理動向
 拒絶査定不服審判の、2016 年の平均審理期間は、特許・実用新案では13.1 か月、意匠では6.8 か月、商標では7.2 か月であった。また、特許・実用新案の拒絶査定不服審判の審理結果について、請求成立とした審決の割合(請求成立率)は、2008 年以降上昇傾向にあり、2016 年では66%であった。無効審判については、権利をめぐる紛争の早期解決に寄与するため、優先的に審理を行っており、特許・実用新案では、2016 年の平均審理期間は10.5 か月であり、意匠では15.5 か月、商標では11.3 か月であった。特許・実用新案の訂正審判は、侵害訴訟に関連して請求される場合が多いことから、優先的に審理を行っており、2016 年の平均審理期間は2.7 か月であった。異議申立ての、2016 年における平均審理期間は、特許では5.8 月3、商標では8.3 か月であった。商標の取消審判の同期間は6.4 か月であった。審理の充実の観点から口頭審理を積極的に活用しており、2016 年の口頭審理の件数は、特許・実用新案では162 件、意匠では9 件、商標では70 件であった。そのうち、全国各地域の中小・ベンチャー企業等を支援するため、審判官が全国各地に出向いて行われる巡回審判を、特許・実用新案で14 件、商標で8 件実施した。
(2)審決取消訴訟の出訴状況
@出訴件数動向
 2016 年の審決取消訴訟1 の出訴件数について見ると、査定系審判では、前年に比べ特許・実用新案及び意匠が増加し、商標が減少した。当事者系審判では、前年に比べ特許・実用新案及び商標が減少し、意匠が増加した。
A判決件数動向
 2016 年における審決取消訴訟の判決件数を見ると、請求棄却となった件数について、査定系審判では、前年と比べ、特許・実用新案、意匠及び商標がいずれも減少した。当事者系審判では、前年と比べ、特許・実用新案、意匠及び商標がいずれも増加した。また、審決取消となった件数について、査定系審判では、前年と比べ特許・実用新案は減少し、意匠は13 件、商標は3 件であった。当事者系審判では、前年と比べ特許・実用新案、商標は減少し、意匠は前年同様に0 件であった。2016 年における査定系審判に関する請求棄却判決の全判決に占める割合(審決支持率)は、特許・実用新案が81.4%、意匠が7.1%、商標が80%となっている。



 特許行政年次報告2017年版 第2章 企業等における知的財産活動、第3章 中小企業・地域における知的財産活動、 第4章 大学等における知的財産活動企業における知的財産活動及び第5章 分野別に見た国内外の出願動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。そこで、同報告書の「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第2章 企業等における知的財産活動」、「第3章 中小企業・地域における知的財産活動」、「第4章 大学等における知的財産活動」及び「第5章 分野別に見た国内外の出願動向」に記載された内容を15回に分けて掲載する。2/15

第1部 知的財産をめぐる動向
第2章 企業における知的財産活動−2
2.知的財産権の利活用の状況
(1) 産業財産権等使用料の国際収支
 我が国企業のグローバル化が進展する中で、知的財産の国際取引も活発化している。財務省が公表している国際収支統計によると、我が国の産業財産権等使用料の国際収支は、2015 年には過去最大の3.1 兆円の黒字となった。
(2)特許権の利用状況
 知的財産活動調査では、知的財産権の利用状況についても明らかにしている。なお、全体推計値については、調査票の回答結果を基に我が国全体について推計を行った数値であることに留意する必要がある。
 国内での利用状況としては、2014 年度から2015 年度にかけて特許権所有件数は約8,000 件増加している。
 2015 年度における利用率(利用件数 /所有件数)は47.8%となり、2008 年度から50%前後で推移している。また、防衛目的件数の割合は32.6%となっている。
 特許権の利用率は業種によって異なっている。「電気機械製造業」において利用割合が高く、「繊維・パルプ・紙製造業」が続いた。
 外国での利用状況としては、2015 年度は47.2%となっている。
(3)意匠権の利用状況
 国内での利用状況としては、2014 年度から2015 年度にかけて意匠権所有件数は約1,701件減少している。内訳を見ると、2008 年度から2014 年度まで利用率は60%台となっていたが、2015 年度には71.3%に増加している。防衛目的件数の割合は20%台で推移している。
 外国での利用状況としては、2013 年度から増加しており、2015 年度は72.3%となっている。
(4)商標権の利用状況
 国内での利用状況としては、2014 年度から2015 年度にかけて商標権所有件数は約6,600件増加し、利用件数は約83,000 件増加している。
 外国での利用状況としては、2011 年以降微増傾向にあり、2015 年度は76.5%となっている。



 特許行政年次報告2017年版 第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み 第1章 国際的な知的財産制度の動向 1.知的財産制度をとりまく環境の変化、及び米国、欧州、中国、韓、台湾、ASEAN及びインドの動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」に記載された内容の中から「1.知的財産制度をとりまく環境の変化」及び米国、欧州、中国、韓、台湾、ASEAN及びインドの動向に関する記載の抜粋を16回に分けて掲載する。16/16

第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み
第1章 国際的な知的財産制度の動向
8.インドにおける動向
 本節では、我が国との関係に加え、インドにおける近年の知的財産政策の動向及びインド特許意匠商標総局の各種取組について紹介する。
(1)我が国との関係
 インドは、BRICs の一角として、近年、急速に経済成長しており、我が国からの企業進出も拡大している。そのような中、両国間の経済関係の強化のために、2011 年8 月には、日インド包括的経済連携協定(JICEPA)が締結された。また、インドは、日本と共に、2012年11 月に交渉が立ち上げられた東アジア地域包括的経済連携(RCEP)の参加国でもある。
 知的財産の分野においても、インド特許意匠商標総局における審査官増員等の取組を支援するため、日本国特許庁は、日本開催研修への審査官の受入れやインドへの講師派遣による人材育成等を通じ、積極的に協力をしている。また、2010 年度から国際審査官協議を開始しており、さらに、2013 年度から、インド特許審査官に対して国際調査機関(ISA)・国際予備審査機関(IPEA)としての審査実務に関する研修を実施している。また、2015 年6 月にはインド商工省産業政策・振興局(DIPP)と日本国特許庁との間で産業財産分野における協力覚書を締結1 した。2016 年2 月にはインド特許意匠商標総局長官を招へいしてインド知的財産制度セミナーを開催するとともに、また、同年4 月から5 月、8 月の2 回にわたり、インドの新人審査官研修に講師として特許審査官を延べ12 名派遣して、約400 名の新人審査官に対して基礎的な特許審査実務に関する指導を行うなどして、両国の知的財産の分野における協力関係を強化している。
(2)近年の知的財産政策の動向
 インドの知的財産制度は、1995 年の世界貿易機関(WTO)への加盟以来、数度の法改正がなされるなど、整備が進められてきた。2005 年に施行された改正特許法により、物質特許制度が導入され、医薬品関連発明に対して特許が与えられるようになった。
 2012 年3 月には、ドイツ製薬メーカーが持つがん治療薬の特許権について、インド特許意匠商標総局長官は、強制実施権の発動要件を規定したインド特許法第84 条に基づき、一定の条件の下で当該特許の利用を許可し、現行法下で初となる強制実施権が発動された。
 一方、2013 年3 月、米国企業が持つ慢性骨髄性白血病治療薬に関する特許権について、強制実施権の発動が申請されたが、2013 年10月、インド特許意匠商標総局長官が棄却する決定を下すなど、他に強制実施権の設定の申請をインド特許意匠商標総局長官が認めたケースは今のところない。
 また、2013 年4 月には、インド最高裁が、医薬品の特許権付与に一定の制限を規定した特許法第3 条(d)に対して、同機関として初めて解釈を示した。本件では、スイス企業のがん治療薬に関する特許出願について、特許すべきでないとの判断が下されている。
 インド政府は、2014 年9 月に、インドにおける製造業を振興する“Make in India”イニシアチブを打ち出し、知的財産権の保護を含む投資環境整備を推進している。2016 年5月に発表された国家知的財産権政策では、特許・意匠・商標の登録及び異議申立ての処理期限の設定と厳守、知的財産権促進・管理機関(CIPAM)の創設、商事裁判所を通じた知財紛争の解決等、知的財産の創造を奨励し、その活用を推奨するための知的財産制度整備の方針が示されている。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差し止め情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


HOME武山特許事務所の業務内容プロパテント知的財産権をめぐる話題趣味のページ