日本国政府の知財戦略、知的財産権に関する国際機関や国際条約、知的財産政策部会の検討内容、知的財産制度の見直しなど、プロパテントをめぐる政府・経済産業省・特許庁等の情報を掲載します。

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 特許行政年次報告2020年版」冒頭特集「MIRU(みる)スポーツと特許」及び第1部 知的財産権をめぐる動向の第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2020年版」が公表された。今回の報告には、冒頭特集として「MIRU(みる)スポーツと特許」と題する記事が掲載されている。そこで、同報告書の「冒頭特集」及び「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状」に記載された内容を15回に分けて掲載する。7/15

第1部 知的財産をめぐる動向
第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状
 近年、研究開発や企業活動のグローバル化が大きく進展し、国内のみならず国外での知財戦略の重要性も一層増している。また、我が国企業の海外展開の進展や、新興国での経済発展や知的財産に対する認識の高まりに伴い、知的財産をめぐる社会情勢は大きく変容している。これらの状況について、本章では、特許・実用新案・意匠・商標における国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状の観点から紹介する。

1.特許
(1)我が国における特許出願・審査請求等の推移及び特許審査の現状
@特許出願件数とPCT国際出願1件数
 特許出願件数の推移を見ると、2015年以降31万件台で推移していたが、2019年は307,969件となった。日本国特許庁を受理官庁とした特許協力条約に基づく国際出願(PCT国際出願)の件数は、2014年を除き、一貫して増加傾向を示しており、2019年は51,652件(前年比6.2%増)となった。これは、研究開発や企業活動のグローバル化が大きく進展し、国内のみならず国外での知財戦略の重要性も一層増していることなどを背景とするものと考えられる。
A審査請求件数
 審査請求件数は2010年以降横ばいで推移しており、2019年は235,182件であった。
B審査の迅速化
 特許庁は、一次審査通知までの期間に加え、権利化までの期間の短縮を求めるニーズの高まりを受け、2014年に10年目標として、2023年度までに特許の「権利化までの期間1」(標準審査期間)と「一次審査通知までの期間」をそれぞれ、平均14か月以内、平均10か月以内とするという目標を設定し、着実に取り組んでいる。2019年度は、それぞれ、14.3か月、9.5か月を達成した。
C特許審査実績
 2019年の一次審査件数は227,293件となった。また、特許査定件数は167,945件、拒絶査定件数は54,779件、特許登録件数は179,910件となった。
 また、日本国特許庁が2019年に国際調査機関として作成した国際調査報告の件数は、過去最多の、51,666件となった。



 特許行政年次報告2020年版 第1部 知的財産権をめぐる動向の中の 第2章 企業等における知的財産活動、第3章 中小企業・地域における知的財産活動、 第4章 大学等における知的財産活動企業における知的財産活動及び第5章 分野別に見た国内外の出願動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2020年版」が公表された。そこで、同報告書の「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第2章 企業等における知的財産活動」、「第3章 中小企業・地域における知的財産活動」、「第4章 大学等における知的財産活動」及び「第5章 分野別に見た国内外の出願動向」に記載された内容を16回に分けて掲載する。6/16

第1部 知的財産をめぐる動向
第4章 大学等における知的財産活動
 知的財産の創造において、我が国の研究資源の多くを有する大学の役割は大きい1。このような認識の下、全国各地で大学知的財産本部や技術移転機関(TLO)が設置され、また、知財戦略デザイナーの派遣(2019年度から実施)、産学連携知的財産アドバイザーの派遣(2016年度から実施)や特許料・審査請求料の減免措置5などの施策も導入されてきた。本章では、大学等における知的財産活動の取組について紹介する。

1.共同研究・受託研究
 近年、産学連携の取組の推進とオープン・イノベーションを背景に、大学等における共同研究及び受託研究が活発化している。本節では、大学等6における共同研究・受託研究の状況について紹介する。
(1)共同研究
 2018年度の大学等における共同研究実施件数は、前年度より2,186件増加して32,092件であった。相手先別の内訳を見ると、民間企業が27,389件と最も多く、独立行政法人等が2,135件と続いている。
 また、2018年度の大学等における共同研究費受入額は、前年度より増加して80,327百万円であった。相手先別の内訳を見ると、民間企業が68,425百万円と最も多く、独立行政法人等が6,040百万円と続いている。

(2)受託研究
 2018年度の大学等における受託研究実施件数は、前年度より1,168件増加して28,234件であった。相手先別の内訳を見ると、独立行政法人等が13,001件と最も多く、民間企業が7,891件と続いている。
 また、2018年度の大学等における受託研究費受入額は、前年度より増加して235,259百万円であった。相手先別の内訳を見ると、独立行政法人等が171,485百万円と最も多く、国が33,814百万円と続いている。

(3)民間企業からの研究資金等受入額
 2018年度の大学等における民間企業からの研究資金等受入額は、前年度より増加して107,714百万円であった。その内訳を見ると、共同研究が68,425百万円と最も多く、治験等が19,601百万円と続いている。



 特許行政年次報告2020年版 第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み 第1章 国際的な知的財産制度の動向 1.出願動向の変化とグローバル化、及び米国、欧州、中国、韓国、台湾、アセアン及びインドの動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2020年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」に記載された内容の中から「1.出願動向の変化とグローバル化」及び米国、欧州、中国、韓国、台湾、アセアン及びインドの動向に関する記載の抜粋を21回に分けて掲載する。1/21

第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み
第1章 国際的な知的財産制度の動向
 新興国市場の成長による輸出先の拡大、生産拠点・研究開発拠点の海外進出など企業活動のグローバル化が進むことで、国外における知的財産権取得の意識が高まっている。各企業等は、各々の知的財産について、これまで以上に多数の国・地域に出願するようになり、各国・地域の知的財産制度を踏まえつつ、それぞれの国・地域において権利を取得し、活用するという状況が生じている。
 こうした状況の中、各国・地域の知財庁等は、知的財産分野における種々の課題を考慮し、知的財産制度をより魅力的なものにするべく、様々な取組を行っている。
 本章では、まず、企業活動のグローバル化に伴う世界全体の出願動向の変化について紹介し、次に、各国・地域それぞれにおける知的財産制度の動向について紹介する。

1.出願動向の変化とグローバル化
 世界の特許出願件数は2009年から2018年までの10年間で1.8倍となっている。その主要因は、中国の特許出願件数の著しい増加であり、2009年から2018年までの10年間で約5倍となっている。2018年における中国の出願件数は世界の出願件数の約5割を占めている。また、アジア圏の日中韓3か国の特許庁への2017年の特許出願件数は約207万件であり、世界の特許出願件数約317万件の6割以上を占めるまでとなった。
 意匠分野においては、中国が単独で世界の出願件数の約7割という圧倒的な割合を占めている。
 商標分野では、中国の伸びが著しく、出願区分数では前年比約3割増となっている(中国は出願件数での数値を公表していない)。中国以外の全体の出願件数の伸びは前年比4%となっている。
 2018年における五庁が受理した海外からの特許出願の比率を見ると、日本・中国・韓国の特許庁では約10%? 23%程度である一方、米国・欧州特許庁では50%を超えている。五庁以外のアジア、オセアニア、南北アメリカ等のほとんどの特許庁において、海外からの出願の方が国内出願よりも多い。このことから、世界全体としては、特許出願がグローバルに行われていると言える。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差し止め情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


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