日本国政府の知財戦略、知的財産権に関する国際機関や国際条約、知的財産政策部会の検討内容、知的財産制度の見直しなど、プロパテントをめぐる政府・経済産業省・特許庁等の情報を掲載します。

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 特許行政年次報告2015年版 第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2015年版」が公表された。そこで、同報告書の「はじめに」、「特許行政年次報告書ダイジェスト」及び「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状」に記載された内容を14回に分けて掲載する。6/14

第1部知的財産をめぐる動向
第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状
1.特許

(2)主要国・機関における特許出願・登録動向
@世界の特許出願件数
 2005 年に170.3 万件であった世界の特許出願件数は、この10 年間で1.6 倍に増加し、2014 年には268.1 万件に達した。2009 年の世界の特許出願件数は居住者、非居住者共に減少していたが、2010 年以降増加に転じており、2014 年は前年比4.4%増となっている。2014 年の世界の特許出願件数の伸びは、主に、中国人による中国国家知識産権局への特許出願件数の大幅な増加によるものである。2014年の世界の特許出願件数においては、米国特許商標庁、日本国特許庁がこれに続いている。
 非居住者による特許出願件数を見ると、この10 年間で1.3 倍に増加し、2014 年には88.1 万件に達した。特に、非居住者による特許出願のうちPCT 国際出願の国内移行件数は、2005 年に31.4 万件であったのに対し、2014年には50.2 万件となっており、PCT 国際出願制度の利用が活発化したことがうかがえる。
A世界の特許登録件数
 世界の特許出願件数の増加に伴い、世界の特許登録件数も増加の傾向にある。2005 年には63.2 万件であったが、この10 年間で約1.9倍に増加し、2014 年には117.7 万件であった。この世界の特許登録件数のうち非居住者による登録は、この10 年間で約1.8 倍に増加し、2014 年には全体の4 割弱を占める状況にある。
 2014 年の世界の特許登録件数を出願人の居住国別に見ると、日本居住者による特許登録件数は29.7 万件と最も多く、米国25.6 万件、中国17.6 万件と続いている。また、日本居住者による特許登録件数のうち、約4 割は外国での登録であり、我が国企業の知財活動が国内外に広く行われていることが分かる。
B世界のPCT国際出願件数
 PCT 国際出願件数は、2009 年以降増加しており、2015 年は216,770 件と、前年に引き続き過去最高となった。PCT 国際出願件数の推移を出願人居住国別に見ると、2015 年の日本からの出願件数は、2011 年から13.3%増の44,051 件と、過去最高を記録し、引き続き第2 位となっている。この日本からのPCT 国際出願件数の増加の背景には、我が国企業等の活動が一層グローバル化したこと、PCT 国際出願のメリットについて認識が高まってきたことなどがあると考えられる。なお、2015 年の中国からのPCT 国際出願件数は前年比16.6%増を記録した。
 出願人居住国別の割合を見ると、2011 年と2015 年のいずれにおいても上位10 か国で全体の約85%を占めている。米国は全体の26.2%を占め、引き続き第1 位となっている。
C五大特許庁における特許出願件数
 五大特許庁(日本国特許庁(JPO)、米国特許商標庁(USPTO)、欧州特許庁(EPO)、中国国家知識産権局(SIPO)、韓国特許庁(KIPO))における特許出願件数の動向を示す。
 2015 年のJPO における出願件数は31.9 万件であり、前年より微減した。五大特許庁の中では、前年と同様SIPO における出願件数の増加が際立っている(前年比19%増)。
D五大特許庁における特許出願構造
 USPTO 及びEPO では外国人(EPO の場合はEPC 加盟国以外の出願人)による出願がほぼ半数を占めているのに対し、JPO、SIPO 及びKIPO では内国人による出願が多い。特に、SIPO における内国人による出願件数は、近年大きく増加している。
E五大特許庁間の特許出願件数と特許登録件数
 2014 年における五大特許庁間の特許出願件数と特許登録件数を見ると、JPO、EPO、SIPO、KIPO から他庁への出願・登録は、いずれもUSPTO へのものが最も多い。



 特許行政年次報告2015年版 第2章 企業等における知的財産活動、第3章 中小企業・地域における知的財産活動及び 第4章 大学等における知的財産活動企業における知的財産活動

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2015年版」が公表された。そこで、同報告書の「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第2章 企業等における知的財産活動」「第3章 中小企業・地域における知的財産活動」「第4章 大学等における知的財産活動」に記載された内容を11回に分けて掲載する。4/11

第1部知的財産をめぐる動向
第2章 企業等における知的財産活動
2.企業等における知的財産活動の変化
(2)新興国における企業の知財活動
 企業活動のグローバル化は加速しており、我が国企業による海外での事業活動は、先進国だけでなく新興国にも広がっている。しかし、新興国での事業活動において権利侵害・模倣被害を懸念する企業も多い。昨今の新興国市場の興隆に伴い、ますます我が国企業の新興国進出が進むものと考えられるところ、企業にとっては、権利侵害・模倣への有効な対策を検討する必要性が高まってきている。本項では、新興国における権利侵害・模倣について、国内外企業へのヒアリングを行った結果の概要を示す。
@現状と課題
 企業の権利侵害・模倣被害への対策の目的としては、権利侵害・模倣を放置せず更なる被害拡大を防ぐこと、自社ブランドを守ることが挙げられている。しかし、対策には多くのコストがかかるうえ、権利侵害・模倣被害は際限がなく、対応しきれないとの声も聞かれた。また、新興国では技術的判断の必要な特許権の行使が難しいといった課題も示された。
 権利侵害・模倣被害の前段階として技術流出を懸念する企業も多く見られた。技術流出の態様として、取引先等からの流出、現地法人の従業員からの流出が挙げられる。特に後者については、技術者を含む現地法人の従業員の定着率が低く、退職の際に流出リスクがあるなどの声が聞かれた。
 従業員からの技術流出防止のため、従業員に対する知財教育が重要と考える企業が見られた。従業員からの流出は、必ずしも技術部門や工場等からの流出に限られない。実際に、今後の課題として、新興国拠点の総務やマーケティングを担当する従業員への知財教育を挙げる企業も見られた。



 特許行政年次報告2015年版 第5章 特許・意匠・商標の分野別出願動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2015年版」が公表された。そこで、同報告書の「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第5章 特許・意匠・商標の分野別出願動向」に記載された内容を13回に分けて掲載する。9/13

第1部知的財産をめぐる動向
第5章 特許・意匠・商標の分野別出願動向
2. 特定分野の特許出願技術動向
(2)2015年度特許出願技術動向調査結果の概要
Cウェアラブルコンピュータ
 ウェアラブルコンピュータとは、身体に着用する形態のコンピュータの総称であり、頭部に着用するヘッドマウントディスプレイ(HMD)・眼鏡型や、手首に着用する腕時計型・リストバンド型が販売されており、出願が急増している。
a. 市場動向
 2013 年に眼鏡型の開発者向け製品が販売され、2015 年に腕時計型が販売されたが、市場は形成されていない。しかし、2020 年には市場規模が約530 億ドルに成長すると予測されている。
b. 出願人国籍別の特許出願動向
 2004 〜 2013 年のウェアラブルコンピュータに関する出願21,863 件の37.9%が米国籍の出願で、31.1%が日本国籍の出願である。米国籍は2009 年から出願件数が急増している(2013 年2,123 件)が、日本国籍の出願件数は横ばい(2013 年1,117 件)である。
出願先国別では、米国への出願が9,628 件(44.0%)で、重要な出願先となっている。
c. 技術区分別の出願動向
 HMD・眼鏡型ウェアラブルコンピュータの出願は5,656 件で全体の48.2%である。HMD・眼鏡型の45.8%は日本国籍で、29.2%は米国籍であるが、米国籍の出願は2010 年から増加傾向にある。HMD・眼鏡型の出願は用途を特定していない技術が多いが、通勤通学・子育て・音楽映画鑑賞等の生活用途は534 件(9.4%)で、ゲーム・演芸等のエンターテイメント用途は464 件(8.2%)である。
 2 番目に多いのは腕時計型ウェアラブルコンピュータの出願であり、1,228 件(全体の10.5%)である。腕時計型の43.7%は米国籍で2012年から出願が増加している。韓国、日本、中国籍の出願は2013 年から増加傾向にある。腕時計型の用途は医療・ヘルスケア・スポーツ用途に集中(51%)している。
d. 調査結果から
 ウェアラブルコンピュータは、産業用途での活用、即ち作業者の各種支援(遠隔作業・機械操作・保守点検・品質管理・安全管理・在庫管理)が期待されている。産業用途に関する出願の42.9%は米国籍、29.7%は日本国籍であるが、機械操作・保守点検・品質管理等の作業支援に関する出願は、日本国籍が83 件、米国籍が36 件となっており、我が国に優位性が認められる。我が国は機械操作・保守点検・品質管理等の作業支援の技術を中心に、産業用途の技術開発に注力することが期待される。
 HMD・眼鏡型、腕時計型以外のウェアラブルコンピュータとして、コンタクトレンズ型、貼布型、着衣型、指輪型等の出願も増加傾向にある。これらの出願は2013 年でも10%程度しか出願されていないが、眼球に直接装着するなどの特性をいかした研究が進められており、ヘルスケア用途等への応用が期待される。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
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 仲裁センター
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