日本国政府の知財戦略、知的財産権に関する国際機関や国際条約、知的財産政策部会の検討内容、知的財産制度の見直しなど、プロパテントをめぐる政府・経済産業省・特許庁等の情報を掲載します。

HOME武山特許事務所の業務内容プロパテント知的財産権をめぐる話題趣味のページ


 特許行政年次報告2017年版」冒頭特集〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜及び第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。今回の報告には、〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜が掲載されている。そこで、同報告書の「はじめに」、「冒頭特集〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜」及び「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状」に記載された内容を16回に分けて掲載する。1/16

はじめに
 世界がより一層のスピードで変革され、IoT(Internet of Things、モノのインターネット)、AI(人工知能)、ビッグデータ関連技術の発達により第四次産業革命が進む今、我が国企業は、これに伴う産業や社会の変化を競争力拡大の絶好の機会と捉え、事業の選択と集中、海外展開を進めており、それにあわせて知的財産戦略も高度化・グローバル化している。特許庁は、かかる状況に対応し、我が国企業の知的財産戦略の高度化・グローバル化を支えるため、以下のような取組を進めてきた。
<「世界最速かつ最高品質の知財システム」の実現>
・ 特許の「一次審査通知までの期間」及び「権利化までの期間」について2023年度までの目標を達成するべく、2016年度の登録調査機関による先行技術文献調査総件数を16.1万件としつつ、必要な審査官の確保等の取組を実施。
・ 審査の品質向上のため特許・意匠・商標ともに各種取組を実施しており、いずれのユーザー評価調査においても、過半数以上が「満足」又は「比較的満足」との回答結果を達成。
・ 社会情勢の反映やユーザーによる制度の利用促進を目的として、意匠、商標審査基準を改訂。
<地域・中小企業支援>
・支援の基本方針とする「地域知財活性化行動計画」を取りまとめ公表。
・中部、近畿、中国、九州の各地域において、巡回特許庁を開催。
・ 中小企業のグローバル展開の支援との観点で、海外での知財係争に備えた海外知財訴訟費用保険制度を創設し、中小企業の掛金補助を2016年度から開始。
・ 地域における中堅・中小・ベンチャー企業の知的財産の権利化・活用を促すため、独立行政法人工業所有権情報・研修館(INPIT)において、「近畿統括本部」(INPIT-KANSAI)を開設予定。
<海外知財関係機関との連携・知的財産制度整備の支援>
・ 日米欧中韓の五大特許庁(五庁)長官会合、日中韓特許庁長官会合、日アセアン特許庁長官会合、WIPO加盟国総会等を通じ、制度・運用調和、多国間協力に関する議論を実施。
・ 日欧知的財産司法シンポジウム2016等を通じて、知財司法分野における各国間の相互理解の促進に貢献。
・ 新興国、途上国に対して職員の派遣、現地関係職員の研修生としての受入れ等をし、各国の適切な制度や運用の確保に向けて協力を実施。
・ 我が国の審査結果を有効に利用し、各国における審査を効率的に進めるため、特許審査ハイウェイ(PPH)の拡充に取り組み、ブラジル、アルゼンチンともPPHを開始。
・ カンボジア、ラオスとの間で特許の付与円滑化に関する協力(CPG)を開始。
<第四次産業革命への対応>
・ 経済産業省内の関連部局と連携し、「第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会」を設置。
・ 五庁間でIoTやAI等の新技術に対応するため各庁の協力を図ることに合意。
・ 検索環境や審査体制の整備のため、広域ファセット分類記号「ZIT」を新設、並びに、IoT委員会及びIoT審査チームを発足。
・ ユーザーへの情報提供等を目的として、「特許・実用新案審査ハンドブック」へ事例追加、ビジネス関連発明に関するセミナーを実施。
・第四次産業革命に関連する技術テーマについて、特許出願技術動向調査を実施。



 特許行政年次報告2017年版 第2章 企業等における知的財産活動、第3章 中小企業・地域における知的財産活動、 第4章 大学等における知的財産活動企業における知的財産活動及び第5章 分野別に見た国内外の出願動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。そこで、同報告書の「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第2章 企業等における知的財産活動」、「第3章 中小企業・地域における知的財産活動」、「第4章 大学等における知的財産活動」及び「第5章 分野別に見た国内外の出願動向」に記載された内容を15回に分けて掲載する。1/15

第1部 知的財産をめぐる動向
第2章 企業における知的財産活動−1
 企業活動の高度化・グローバル化の進展等に伴い、我が国企業の知的財産活動を取り巻く環境は大きく変化しており、また、企業規模や技術分野の違いによって、 知的財産戦略は多様化しているといえる。これらの状況について、本章では、出願件数等の動向からみた知的財産活動の実態、知財担当者数・活動費等からみた知的財産活動の状況、知的財産権の活用状況等を紹介する。
1.知的財産活動の状況
(1)特許、実用新案の出願件数
 内国出願人による特許出願件数の推移を中長期で見ると、1980 年から1987 年までは総R&D 費の推移に同調するように漸増している。1988 年に改善多項制 が導入された後は、伸びは鈍化したが、引き続き漸増し、2000 年にピークに達した(38.7 万件)。その後は漸減傾向となったものの、2016 年には再び増加に転じ、26.0 万件となった。なお、2008 年から2009 年にかけての大きな減少は、2008 年9月に発生したリーマン・ショックの影響を受けたものと考えられる。  外国出願人による特許出願件数の推移を見ると、1980 年から2007 年までは堅調に漸増している。2007 年にピーク(6.3 万件)に達した後、2008 年9 月に発生したリーマン・ショックの影響を受けて、2009 年には5.3 万件にまで減少した。その後は漸増傾向となったものの、2014 年を境に再び減少に転じ、2016 年には5.8 万件となった。
 また、我が国企業のグローバル化が進展する中、製造業における海外研究開発費は2009年度以降漸増しており、2014 年度は6,530 億円と過去最高水準となっている。他方で、日本から海外への特許出願件数は、2012 年以降横ばいで推移している。
 出願順位規模別 で見ると、出願件数上位30 社で全出願件数の25%程度、出願件数上位300 社で全出願件数の60%以上を占めている。そして、2012 年から2016 年にかけて、出願件数上位30 社が大きく出願を減少させている(2012 年10.1 万件→ 2016 年8.4 万件)のに対し、それ以外の企業の出願件数はほぼ横ばいとなっていることが分かる。
(2)企業別登録件数ランキング
<特許>
 2016 年の特許登録件数を企業別に見ると、第1 位はキヤノン株式会社で4,095 件、第2位はパナソニックIP マネジメント株式会社で4,046 件、第3 位は三菱電機株式会社で4,042件であり、電機と自動車関連企業がトップ10の大部分を占めた。
<意匠>
 2016 年の意匠登録件数を企業別に見ると、第1 位はパナソニックIP マネジメント株式会社で430 件、第2 位は三菱電機株式会社で415 件、第3 位は株式会社岡村製作所で335件であった。上位4 社に変化はなかったものの、自動車関連企業が順位を上げている。
<商標>
 2016 年の商標登録件数を企業別に見ると、第1 位は株式会社サンリオで939 件、第2 位は株式会社資生堂で539 件、第3 位は株式会社コーセーで331 件であった。上位10 社は前年とほぼ同じ顔ぶれであったが、順位を大きく上げた企業も存在する。
(3)我が国企業等における知財担当者数
 2016 年度の知的財産活動調査1 の結果によると、我が国全体の知財担当者数2 は、2012年度から2014 年度にかけて微増傾向であったが、2015 年度には微減となった。なお、全体推計値については、調査票の回答結果を基に我が国全体について推計を行った数値であることに留意する必要がある。
 業種別1 者あたりの知財担当者数では、「電気機械製造業」が18.5 人と最も多く、全体平均5.9 人を大きく上回った。
(4)我が国企業等における知財活動費の現状
 2015 年度の我が国企業等の知財活動に要する費用の内訳を見ると、ほとんどの業種において出願系費用の占める割合が最も多く、知財活動費全体に与える影響が大きいことが分かる。



 特許行政年次報告2017年版 第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み 第1章 国際的な知的財産制度の動向 1.知的財産制度をとりまく環境の変化、及び米国、欧州、中国、韓、台湾、ASEAN及びインドの動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」に記載された内容の中から「1.知的財産制度をとりまく環境の変化」及び米国、欧州、中国、韓、台湾、ASEAN及びインドの動向に関する記載の抜粋を16回に分けて掲載する。1/16

第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み
第1章 国際的な知的財産制度の動向
 新興国市場の成長による輸出先の拡大、生産拠点・研究開発拠点の海外進出など企業活動のグローバル化が進むことで、国外における知的財産権取得の意識が高まっている。各企業等は、各々の知的財産について、これまで以上に多数の国に出願するようになり、各国・地域の知的財産制度を踏まえつつ、それぞれの国において権利を取得し、活用するという状況が生じている。
 こうした状況の中、各国・地域の知財庁等は、知的財産分野における種々の課題を考慮し、知的財産制度をより魅力的なものにするべく、様々な取組を行っている。
 本章では、まず、企業活動のグローバル化に伴う世界全体の知的財産制度をとりまく環境の変化について紹介し、次に、各国・地域それぞれにおける知的財産制度の動向について紹介する。
1.知的財産制度をとりまく環境の変化−1
(1)出願動向の変化とグローバル化
 世界の特許出願件数は2006 年から2015 年までの10 年間で1.6 倍となっている。その主要因は、中国の特許出願件数の著しい増加であり、2006 年から2015 年までの10 年間で約5 倍となっている。2015 年における中国の出願件数は世界の出願件数の約4 割を占めている。また、アジア圏の日中韓3 か国の特許庁への2015 年の特許出願件数は約163 万件であり、世界の特許出願件数約289 万件の半数以上を占めるまでとなった。
 意匠分野においては、中国が単独で世界の出願件数の6 割以上という圧倒的な割合を占めている。
 商標分野においては、中国の出願件数が世界一であり、主要国・機関の出願件数は全体の約半数程度となっている。
 出願活動のグローバル化は、特許、意匠、商標それぞれの分野において異なる動きをみせている。
 2015 年における五大特許庁が受理した海外からの出願比率を見ると、日本・韓国・中国の特許庁では12%?23%程度である一方、米国・欧州の特許庁では約50%となっている。五大特許庁以外のアジア、オセアニア、南北アメリカ等のほとんどの特許庁において、海外からの出願の方が国内出願よりも多い。このことから、世界全体としては、特許出願がグローバルに行われていると言える。
(2)各国・地域で進む知的財産環境の整備
 企業活動がグローバル化する中、各国・地域の知財庁等は、知的財産分野における種々の課題を考慮し、様々な取組を行っている。
 例えば、欧州においては、欧州特許制度改革の動きが活発であり、単一効特許制度や統一特許裁判所の導入に向け着実に前進している。
 中国においては、専利法改正に関し、1993年の第一次、2001 年の第二次、2009 年の第三次に続く第四次改正に向けた検討が進められている。第四次改正については、専利保護の強化、専利活用の促進、専利水準の向上等の観点から検討が行われている。
 このように、各国・地域は、企業活動のグローバル化に対応するように、各々の知的財産制度がユーザーにとってより魅力的になるよう整備を進めている。



 リンク集

 WIPO
国連の世界知的所有権機関のホームページです。
 特許庁
特許庁のホームページです。
 経済産業省
経済産業省のホームページです。
 最高裁判所
最高裁判所のホームページです。
 知的財産戦略本部
知的財産戦略本部のホームページです。
 文化庁
文化庁のホームページです。
 輸入差止情報
税関の輸入差し止め情報のホームページです。
 仲裁センター
日本知的財産仲裁センターのホームページです。


HOME武山特許事務所の業務内容プロパテント知的財産権をめぐる話題趣味のページ