日本国政府の知財戦略、知的財産権に関する国際機関や国際条約、知的財産政策部会の検討内容、知的財産制度の見直しなど、プロパテントをめぐる政府・経済産業省・特許庁等の情報を掲載します。

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 特許行政年次報告2017年版」冒頭特集〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜及び第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。今回の報告には、〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜が掲載されている。そこで、同報告書の「はじめに」、「冒頭特集〜特許庁の「第4次産業革命」への対応〜」及び「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第1章 国内外の出願・登録状況と審査・審判の現状」に記載された内容を16回に分けて掲載する。3/16

冒頭特集 特許庁の「第4次産業革命」への対応−2
2.特許庁における取り組み−1
(1)第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会
 特許庁は、2016 年10 月、経済産業省内の関係部局との連携の下、学識経験者、産業界等の有識者からなる「第四次産業革命を視野に入れた知財システムの在り方に関する検討会」を立ち上げ、計10 回にわたる議論を通じて、企業の戦略とそれを支える制度や運用に関する現状と課題の整理を行い、「産業財産権システム」、「データの利活用」及び「国際標準化」の各観点について、有識者からの提言をとりまとめた。

(2)五庁共同声明2016(東京声明)の合意
 日米欧中韓の五大特許庁(五庁)は、2016年6 月、第9 回長官会合において、今後の五庁協力の目指すべき方向性として、三つの取組を掲げた五庁共同声明2016(東京声明)に合意した。その取組の一つとして、IoT やAI等の新技術に対応するため各庁の協力を図ることとし、これらの新技術による影響について情報共有や意見交換等を進めることとした。

(3)「第四次産業革命」に関連する技術に関する審査事例の追加
 特許庁は、「第四次産業革命」の進展に伴い注目されているIoT 関連技術等に対する審査の運用を出願人等のユーザーに分かりやすく示すことを目的として、IoT 関連技術等に関する審査事例を「特許・実用新案審査ハンドブック」に追加し、日本語及び英語にて公表した。
 具体的には、2016 年9 月にIoT 関連技術における様々な技術分野の12 事例を、2017 年3 月にAI の学習済みモデルや、IoT、3D プリンティング関連技術におけるデータ・データ構造等に関する11 事例を、それぞれ追加し、発明該当性、新規性、進歩性の要件について国内外に紹介している。

(4)IoT関連技術の分類整備
 IoT 関連技術の近年の急速な発展に伴い、同技術の特許出願の動向や、どのような発明が特許になっているのかを把握したいというニーズが高まっている。これを受け、特許庁は、2016 年11 月に広域ファセット分類記号「ZIT」を新設し、世界に先駆けてIoT 関連技術の分類付与を開始した。これにより、特許として登録されているIoT 関連技術の把握が可能となり、我が国におけるIoT 関連技術の研究・開発が一層効率的に進むことや、特許取得の予見性が向上することが期待される。
 さらに、2017 年4 月には、ユーザーの要望を受けて、ZIT を細展開し、ヘルスケア用、製造業用等といった形で用途別に分類する新たな分類項目を設立することで、用途別のIoT関連技術の抽出が可能となった。これにより、関心のある用途におけるIoT 関連技術を、より簡単に調査することができるようになった。加えて、日本文献のみならず、外国文献についても同様の観点で抽出が可能となるように、当該用途別の分類項目のIPC(国際特許分類)化を海外知財庁に提案した。



 特許行政年次報告2017年版 第2章 企業等における知的財産活動、第3章 中小企業・地域における知的財産活動、 第4章 大学等における知的財産活動企業における知的財産活動及び第5章 分野別に見た国内外の出願動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。そこで、同報告書の「第1部 知的財産権をめぐる動向」の中の「第2章 企業等における知的財産活動」、「第3章 中小企業・地域における知的財産活動」、「第4章 大学等における知的財産活動」及び「第5章 分野別に見た国内外の出願動向」に記載された内容を15回に分けて掲載する。4/15

第1部 知的財産をめぐる動向
第3章 中小企業・地域における知的財産活動−2
1.知的財産活動の状況−2
(2)中小企業の海外展開の状況
 2015 年の中小企業における海外への特許出願件数は、5,737 件(前年比1.2%減)であり、2015 年の中小企業における海外出願率は15.6%と、大企業における海外出願率34.2%に比べると低い。
(3)中小企業の知財活動における地域格差
@都道府県別特許等の出願比率
a.都道府県別の中小企業数に対する特許出願中小企業数の割合
 中小企業数に対する特許出願中小企業数の割合は、2016 年で全国平均0.3%である。全国平均を上回る都道府県は、東京、神奈川、福井、愛知、滋賀、京都、大阪となっており、必ずしも大都市圏に片寄っているわけではない。そのうち、東京、京都、大阪においては、毎年増加傾向にある。
b.都道府県別の中小企業数に対する実用新案登録出願中小企業数の割合
 中小企業数に対する実用新案登録出願中小企業数の割合は、2016 年で全国平均0.05%と低調である。 全国平均を上回る都道府県は、秋田、埼玉、東京、神奈川、新潟、福井、岐阜、京都、大阪、兵庫、奈良、香川となっており、必ずしも大都市圏に片寄っているわけではない。
c.都道府県別の中小企業数に対する意匠登録出願中小企業数の割合
 中小企業数に対する意匠登録出願中小企業数の割合は、2016 年で全国平均0.08%と低調である。全国平均を上回る都道府県は、東京、新潟、岐阜、愛知、滋賀、大阪、兵庫、奈良、香川となっており、中部及び近畿地域で多く出願されている。
d.都道府県別の中小企業数に対する商標登録出願中小企業数の割合
 中小企業数に対する商標登録出願企業数の割合は、2016 年で全国平均0.71%である。全国平均を上回る都道府県は、東京、京都、大阪であり、都市部に集中する傾向にあると言える。
A都道府県別の知財総合支援窓口相談件数
 2016 年度の知財総合支援窓口の相談件数を都道府県別に見ると、東京、神奈川、愛知、大阪、福岡と大都市圏に集中している。
B出願における代理人の都市部偏在
 都道府県別の中小企業特許出願における代理人の地域分布を見てみると、全国的に東京の代理人による出願が多く、また、大阪、愛知、福岡といった都市部の代理人が周辺地域の出願人の出願を手掛けている。中部、中国、四国地方では、地元代理人の比率が高い傾向がある。
 地方部においてPCT 出願を行う場合には、通常の特許出願よりも都市部の代理人に依頼する割合が、さらに高くなっている。
 さらに、中小企業が海外展開を考える上では、海外の法制度や市場環境を踏まえた出願戦略、外国企業との係争・調停戦略といった知財の制度や実務に関する高いスキル、また、外国企業とのマッチング・アライアンス、本社の意向をくんだ合弁会社の設立運営といった経営・マネジメントに関する高いスキルの両者をあわせ持った人材による支援が求められている。



 特許行政年次報告2017年版 第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み 第1章 国際的な知的財産制度の動向 1.知的財産制度をとりまく環境の変化、及び米国、欧州、中国、韓、台湾、ASEAN及びインドの動向

 知的財産制度を取り巻く現状と方向性、国内外の動向と分析について、直近の統計情報等を基に取りまとめた「特許行政年次報告2017年版」が公表された。そこで、同報告書の「第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み」の中の「第1章 国際的な知的財産制度の動向」に記載された内容の中から「1.知的財産制度をとりまく環境の変化」及び米国、欧州、中国、韓、台湾、ASEAN及びインドの動向に関する記載の抜粋を16回に分けて掲載する。3/16

第3部 国際的な動向と特許庁の取り組み
第1章 国際的な知的財産制度の動向
2.米国における動向−1
 米国では、2016 年の大統領選挙で共和党のDonald Trump(ドナルド・トランプ)氏が勝利、2017 年1 月20 日に第48 代アメリカ合衆国大統領に就任した。
 米国特許商標庁(USPTO)においては、政治任用であるUSPTO 長官は政権の交代とともに代わるのが通常であり、新長官に誰が就くのかが注目されていた。しかしながら、2017 年3 月時点において、同庁、商務省及びホワイトハウスから長官人事についての正式な公表はなされていない。
 USPTO は前政権下で特許の一次審査未着手件数の削減等に向けて人員・予算を積極的に増大させてきたが、トランプ大統領は、連邦政府職員採用の凍結を命じる大統領覚書(Presidential Memorandum) に署名し、連邦政府職員の数を減らす長期計画を実施するまで、連邦政府機関に対して新規採用及び空席ポスト補充採用の凍結を命じた。USPTO にとって、この採用凍結措置が長期化した場合、職員の空席を抱えたままの運営となるため、特許出願審査の長期化や審査時間の短縮化を受けた質の低下などが発生することが懸念される。今後USPTO がどのように運営されていくのかが注目される。
 本節では、我が国との関係に加え、米国における知的財産政策の動向及びUSPTO の各種取組について紹介する。
(1)我が国との関係
 特許の分野では、日本国特許庁(JPO)とUSPTO との間で、特許審査ハイウェイ、国際審査官協議等を通して緊密な協力関係を築いている。さらに、JPO とUSPTO は、(i)2015年7 月1 日から、米国が受理したPCT 国際出願の一部について、国際調査・国際予備審査を我が国が実施(我が国による国際調査・国際予備審査の「管轄国」を米国に拡大)し、(A)2015 年8 月1 日から日米協働調査試行プログラム を開始している。また、日米欧三極特許庁会合、日米欧中韓五大特許庁会合といった多国間の枠組みにおいても、制度調和を始めとする種々の分野において連携を取っている。
 意匠の分野では、意匠審査官協議や意匠分類専門家会合等を通じて、主要な実体審査国である日米両国の審査実務や意匠分類に対する理解を深め、緊密な協力関係を築いている。さらに、2016 年2 月には、JPO とUSPTO との間で意匠分類協力覚書を締結した。また、2015 年から、日米欧中韓の意匠五庁(TM5)の枠組みによる協力を実施している。
商標の分野では、2001 年から推進してきた日米欧の三極協力を発展させ、2012 年から日米欧中韓の商標五庁(TM5)の枠組みによる協力を実施している。



 リンク集

 WIPO
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 特許庁
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 経済産業省
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 最高裁判所
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 知的財産戦略本部
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 文化庁
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 輸入差止情報
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 仲裁センター
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